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Dr.さいだ の ヴォイスクリニック
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| 異常な部位 | 代表的な病気 |
| 呼気 | 喘息、肺炎、気管支炎、胸部打撲など外傷 による呼吸障害など |
| 声帯振動 | 声帯ポリープ、結節、癌、風邪、声帯溝症、喉頭外傷など |
| 共鳴、構音 | 口腔内の腫瘍、鼻ポリープ、種々の形態異常 など |
| 中枢、神経 | 脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、心因性、脳からの神経伝達異常 など |
| 病名 | 声帯画像 | コメント |
| 急性声帯炎 慢性声帯炎 |
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風
邪は鼻咽喉頭の炎症で、日常臨床で最も多い疾患の一つです。炎症が気管に及ぶと気管支炎を併発し、咽頭痛のみでなく咳が生じます。咳が起きると激しく左右
の声帯がぶつかりあい、声帯の縁を痛めることになります。軽度の風邪でも、声帯は炎症を起こし、ストロボスコープ使用の内視鏡では、声帯振動の異常を認め
ることができます。歌手などのプロフェッショナルボイスでは、軽度の風邪でも放置しないで、早めの治療をした方がよいでしょう。市販薬の中には、のどの渇
きをおこし声帯振動を悪くして声を出しにくくするものもありますので、注意が必要です。 写真の例では、重度の気管支炎を併発し、膿性の痰が認められます。声帯も赤くなりむくんでいます。 急性声帯炎は適当な治療と声の安静で完治しますが、声の酷使が多い歌手などの方は、安静にできないため、慢性化するケースがあります。声帯縁が厚く肥厚し 肥厚性声帯炎といえる病態になるケースもあります。ダミ声での発声は可能ですが、歌唱などにおいてきれいな澄んだ声は不可能になります。大声を出すベテ ランの教師の方や市場のせり などで大声を出す方は、職業上の声として諦めている方もあると思いますが、一度は専門医で声帯をチェックしていただき、悪性 所見がないか どうか診察していただければ安心と思います。 |
| 声帯結節 | ![]() ![]() ![]() |
声
帯縁の隆起で一般的には硬い性状のものを声帯結節と言います。通常は左右両側性で声帯縁中央で、歌手などハードボイスユーザーに多い疾患です。声は息漏れ
のするような声になりますが、軽度なものでは日常支障はなく、歌唱など高音発声時のみ異常が生じます。写真上は、息を吸っている時で、下は発声時です。ス
トロボスコープ使用の内視鏡では、声帯振動の状況が詳細にわかり、さらにEGG使用により、発声法の違いによる声帯振動の状態を知ることができ、結節の広
がりや硬さなど性状を知ることができます。下の写真は声帯結節があり、さらに右ポリープができたものです。声帯の病変はこのようにしばしば、いろいろなタ
イプが合わさる場合があります。 |
| 声帯ポリープ | ![]() ![]() ![]() |
声
帯に種々の硬さや大きさの隆起ができる疾患で、声はダミ声になったりかすれ声になったりします。声帯粘膜の毛細血管が拡張しポリープ状になったものもあ
り、なかには、それが破綻し声帯出血を起こす場合もあります。声の酷使や咳払いなど声帯の機械的刺激で、循環障害.が起き発症すると考えられています。喫
煙が影響を与えていることも多いようです。小さなポリープは通常のファイバースコープや電子内視鏡では確認が難しいことがありますが、ストロボスコープ使
用の内視鏡では、声帯振動の確認により、小さな病変でもはっきりするケースが多くあります(下写真)。組織学的には結節とは区別できませんが、形態で区別
しています。 ポリープの色調や発生状況から、腫瘍も考えなければならず、組織検査が必要な場合もあります。 |
| ポリープ様声帯 (ラインケの浮腫) |
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声帯がブヨブヨに腫れ上がって水ブクレになった状態で、ヘビースモーカーに多い疾患です。声は低く、ガラガラ声になります。重症になると呼吸苦もでてきます。 通常両側性ですが、片側のみ大きく腫れることもあります。軽度なものでは、声帯粘膜のむくみは、ストロボスコープ使用の内視鏡で声帯振動時の粘膜の波動の異状として観察することが可能です。 原因は喫煙のことが多いので、禁煙は治療のため最重要です。最近は若い女性の喫煙者が多くなりました。喫煙でこの病気になり声が低くダミ声になってしまう 方も多くなりました。女性の愛煙家で声が低くかすれてきたら、特にこの病気に注意が必要です。ファッション感覚で始めた喫煙は、声を老けさせ健康を奪って いきます。 |
| 声帯嚢砲 | ![]() ![]() |
声 帯の縁に隆起した部位が認められる疾患で、かすれ声になります。軽度なものは、歌手などボイスユーザーの方に多く、日常会話は問題なくても歌唱時のみトラ ブルになったりします。気づかれずになんとなく声が調子悪いなど放置されることも多いようです。水胞やニキビのような膿胞が声帯にできその周りが隆起した もので、一見声帯結節のようにも見えることもあります。大きなものは、通常の内視鏡で観察可能ですが、小さなものは、ストロボスコープ使用の内視鏡で、声 帯振動時に内容の膿胞が透けて見えることで確認されます。結節と違い発声法の改善のみではよくならないケースもあり、場合により手術が効果的です。 |
| 声帯出血 | ![]() ![]() |
声帯粘膜には毛細血管が多数あり、声帯縁に沿って平行に流れています。声帯が振動すると毛細血管走行とは垂直の力が加わることになり、血管の危弱な部位で破綻を起こし、粘膜の下で血液が血管外に流れ写真のように発赤することがあります。(リンク)急
に声が重くなったりかすれぎみになったりしますが、発声は可能なので気付かれないこともあります。声を使用せず安静にしていれば、改善しますが、歌手、俳
優などヘビーボイスユーザーの方では、声帯出血で声が重いのを無理をして発声し、出血が増加、悪化して声帯片縁が硬くなり結節やポリープに変化していくこ
ともあります。ストロボスコープ使用の内視鏡では声帯粘膜波動を確認できますので、血管破綻部位の断定と、その後の治療方針の決定をすることができます。 比較的女性に多く、生理前後5日以内で、鎮痛剤を内服し咳払い、声の酷使で起きることが多いようです。心臓病などで血液をサラサラにする薬の内服で声を酷使する方にも多いようです。 声が重くなって、いつもと違うような場合は、パフォーマーの方は常に頭に入れておいてください。 |
| 喉頭腫瘍 白班症など (非良性疾患) |
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喉頭にはいろいろなタイプの腫瘍ができます。声帯が硬くなる角化症、白色になる白班症などは前癌状態と言われている病気で、声のかすれが軽度で日常支障がなくても、組織検査を行い癌への変化を調べなければいけません。 良性の腫瘍としては、乳頭腫が多く、しばしば悪性化することがあるため、組織検査を行いながら治療及び経過観察する必要があります。 悪性腫瘍は癌がほとんどで、耳鼻咽喉科の中で喉頭が最も発生率が高い部位になります。声は初期では、軽度の声のかすれですが、進行すると硬い感じでしぼり だすようなガラガラ声になったりします。発声場所が声帯の縁であれば、早くから声の異常が出現しますが、声帯上や下であれば(上が多い)声の異常の症状が なかなかでずに声帯縁に進行するまで、のどの異物感 くらいで気付かれずにいることもあるので注意が必要です。癌のほとんどの方は、ヘビースモーカーで、 非喫煙者の 32倍もの発生率と言われています。禁煙の実施と啓蒙運動は喉頭癌の予防と再発防止に必要です。愛煙家の方で声のかすれやのどの異物感が生じ た場合は専門医を受診してください。 |
| 声帯溝症、 弓状声帯、 声帯萎縮症 |
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声 帯の縁に溝があるために、声帯が閉じた時にスキマができ声がかすれてしまう病態ですが、日常生活に支障がなければ放置してかまいません。大きな声がでない ため会話で疲れたり、息切れするような場合は治療が可能です。溝がない場合、声帯が弓状になっているものを弓状声帯や萎縮症といったりします。ご高齢の方 はどなたでも多少の萎縮傾向があり大きな声が出しづらくなりますが、コーラスなどで声を使っている方は年齢による変化を感じさせない場合もあります。声帯 に萎縮傾向や溝症があっても、発声の仕方で、困らずに過ごせる場合もあります。 |
| 反回神経マヒ | ![]() ![]() |
声 帯は息を吸う時や声を出さずに息を出す時には開いていますが、声を出す時は閉じます。これを声帯の呼吸による開閉運動と言います。声帯が閉じている時に声 帯縁が小さく振動して空気の断裂を起こし音を作り出す声帯振動とは分けて考えます。前者の声帯の開閉運動は、脳幹よりでた迷走神経から分かれた反回神経が コントロールを行っていますが、この神経に異常がある場合、反回神経マヒといい声帯の開閉運動に支障をきたします。図上は左のマヒ(写真では右)で上の吸 気時も発声時も左声帯は動いていません。声は息漏れのするかすれ声になり声が長く続きません。原因は多くありますが、臨床的に注意しなければいけないの が、肺癌、食道癌、甲状腺癌です。風邪などに引き続き起きるヴィールス性のものや原因不明のものもあります。息漏れのする声のかすれが長く続く場合は、こ の病気を疑い専門医を受診してください。胸部外科や甲状腺手術などの後で起こる場合もあります。 |
| けいれん性発声障害 | 動きの異常なので 静止画像では正常です。 |
声 がふるえる病気はいろいろあります。そのうちの一つで神経筋の伝達機構に異常があり発症すると言われています。声のふるえ、ゆれで日常発声困難なものか ら、気付かれないものまで重症度もさまざまです。診断がつきにくく診療内科等に紹介されることもありますが、声帯振動と開閉運動をストロボスコープ使用の 内視鏡で精査すると診断が容易になる場合があります。声帯には、一見異常がないので、耳鼻咽喉科専門医でも診断が難しいケースもあるようです。 |
| 心因性発声障害 | 動きの異常なので 静止画像では正常です |
な んらかの心因で声が出なくなる疾患で、のどに力が入りすぎる過緊張性発声で出なくなる場合と、逆に力が入らなくて声がでない、低緊張性発声により声が出な くなるケースがあります。ヒステリー失声症も含まれます。診療内科等でのトランキライザーによるのどの渇きで悪化する場合もあります。多くのケースは呼気 と声帯を閉じるバランスがくずれて発症しますので、適切な発声指導で改善します。 |
| 変声障害 など | 動きの異常なので 静止画像では正常です。 |
男
児で高校生以降になっても、高い声のままで、仕事や学校仲間にひやかされ、自分の声にコンプレックスを持ってしまうことがあります。たいていは遷延性変声
障害で、心療内科に行ったり、深く悩んでしまうこともあるようです。これは、子供の頃の声の高さを維持しようとして、発育した声帯が地声ではなく、裏声発
声をして高い声を維持しようとしてしまうからです。手術を行う施設もあるようですが、発声の指導により完治可能です。 声帯の合わせ方を知りながら声帯振動を調べる、EGGを使い発声状況をリアルタイムで知り発声指導に役立てることも可能です。(リンク) 性同一症候群の方は、女性のような高い声を希望されることがあり、これとは逆の裏声発声の指導を行います。 |

| 手術方法 | 日数に よる負担 |
金額の負担 | 麻酔方法 | 手術時の苦痛度 | 手術及び 麻酔時間 |
手術の精度 | 術中の声帯振動の確認 | |
| 1 | ファイバースコープによる方法 | 外来 日帰り 容易 |
少ない 3割の方で4万円位 |
局所 | 術者による(小) | 術者による(短い) | 施設、術者による 拡大モニターシステム |
施設による ストロボ使用で可能 |
| 2 | 間接喉頭鏡による方法 | 外来 日帰り 容易 |
少ない | 局所 | 術者による(中) | 術者による(短い) | 施設、術者による 拡大鏡 |
施設による ストロボ使用で可能 |
| 3 | 直達鏡による方法 | 外来 日帰り 容易 |
少ない | 局所 | 術者による(大) | 術者による(中) | 施設、術者による 拡大鏡 |
施設による ストロボ使用で可能 |
| 4 | 全身麻酔による直達鏡による法(マイクロラリンゴサージェリー) | 入院 | 多い 入院で 3割の場合15万円位 |
全身 | 意識がなし 特殊麻酔では意識あり のどの反射が強い人でも可能 |
術者による(長い) 麻酔にかかる時間が必要 |
施設、術者による 顕微鏡 筋肉が弛緩しているので、取り過ぎに注意 |
ストロボ使用不可のため、術中での声帯振動 の確認ができない |


| さいだ耳鼻咽喉科クリニック 院長 斉田 晴仁 |